小さな旅

〜鎌倉・2002年9月23日月曜日編〜


 Lと鎌倉へ。
 計画自体は8月から存在していたものの、台風や雨により延期に延期を重ね、この日やっと実現したのだった。

 10時に品川駅で待ち合わせし、まずは駅の本屋で鎌倉に関するガイドブックを物色。いろいろ見た結果、小さいけれどお店がたくさん出ていて詳細な地図が付いている¥500のガイドブックを購入。そして横須賀線で鎌倉へ。

 念願(とは言っても3度目)の鎌倉。まずは、長谷にある豆腐料理の店でゴージャスなお昼ごはんを食すべく、江ノ電のりばへ向かう。「のりおりくん」という江ノ電一日乗り放題きっぷは大人¥580。のりおりくんを買い、江ノ電で長谷へ。

 長谷で降りて、踏み切りを渡った瞬間に思い出した。ここは2年前にも来たところ。2年前は大仏を見て長谷から帰ったんだったっけ。
 目指す豆腐料理屋は長谷の駅から右側の歩道をしばらく北上したところの2階。「ここだ。」とLに言われて立ち止まった目の前には「鎌倉ニュージャーマン」があった。2年前、ここの鎌倉ニュージャーマンでカスタードのソフトクリームを食べたことを思い出した。

 「豆富料理 白朋」。
 ニュージャーマンの脇の階段をあがった2階にある、こぢんまりとした店。ガイドブックに載っていたから混んでいることを予想していたけど、客は私たちの他に2組のみだった(全部で6組分しか座敷がない)。昼は豆富(あえてこのように書いているらしい)料理3品、5品、7品のコースがある。3品はさみしい、7品は多いということで、私たちが注文したのは¥2100の5品コース。

 全てのコースには湯豆腐が。そして5品のコースには茶碗蒸し、野菜とこんにゃくの煮物、ゆず風味の味噌ダレをかけた豆腐、だしで煮た豆腐、ごはん+漬け物、吸い物。



 豆腐料理は全てとてもおいしく、茶碗蒸しもなめらかでおいしく、煮物もごはんも漬け物もとてもおいしかった。豆腐づくしでかなりボリュームもあったし。それにしてもそろそろ湯豆腐の季節なんだなぁとしみじみ思う。

 豆腐料理を食べ終えた後は、大仏ではなく長谷寺へ。
 長谷寺では萩や彼岸花、金木犀などが咲き乱れ、広い境内のところどころには小さなお地蔵様がずらりと並んでいる。並んでいるお地蔵様の中にはエプロン、まえかけ、帽子やアクセサリーを身につけているのもいてかわいらしい。彼等はどこかの家族のお地蔵様なのだろう。境内の端からは由比ヶ浜が見下ろせて心地いい。思うままにシャッターを切りまくり、気が付くとフィルムを3本ほど消費していた。

 長谷寺の大きな金ぴかの観音様と、展示されている国宝などを見た後に建物の外に出ると、ポツリポツリと雨が降ってきてしまった。でも空は明るい。これはすぐにやんでくれるかも。


 長谷寺を出て成就院、極楽寺方面へ向かう。
 雨足は弱まりそうな気配。途中、ガイドブックに載っていた「力餅屋」という和菓子屋さんで10個入りの「力餅」を半額ずつ出しあって購入。ひとり¥315。



 ゆるやかな坂を上っていくと、左手に成就院があった。
 成就院脇の階段では、雨の中、紫陽花の葉っぱだけが青々と艶やかにしげっていた。ここも2年前に来たところ。あの時も雨で、紫陽花が咲き乱れていて美しかったっけ。振り返ってみると先程長谷寺から見下ろした由比ヶ浜が小さく、はるか眼下に見えた。まだ長谷からほんの少ししか歩いていないのに。「三方を山に囲まれ一方を海に囲まれている鎌倉」を実感する瞬間。

 極楽寺の手前に、雨宿りするにうってつけの場所があった。閉店した店かなにかの軒下に腰掛け、先程買った力餅をいただきながらひと休み。力餅は伊勢の「赤福」をこぶりにしたようなもので、ひとくち大のお餅のまわりがこしあんでつつまれており、おいしかった。

 極楽寺は小さく素朴で、人も少なく落ち着いた雰囲気。
 ところが弱まりつつあるかに見えた雨が、おさいせんを投げたあたりから急に激しくなり、立ち往生する私ら。この後は海辺を散歩する予定だったのに。することも思いつかず「のりおりくん」のもとも取っておきたいので、極楽寺駅から江ノ電に乗り、目的もなく藤沢へ向かうことにした。

 藤沢ルミネの中にあるスターバックスで時間をつぶし、カフェモカも冷えてきたところで外に出ると、雨は止んでいた。いよーし、浜辺を歩こう。再び江ノ電に乗り、今度は稲村ヶ崎を目指す。

 ところがところが、稲村ヶ崎に着いたときには再び雨が。海沿いの道を、荒れた海を眺めながら歩くのも悪くないけれど、やっぱり晴れているときの夕暮れの海を見たかったなぁ。



 長谷まで歩いて、江ノ電に乗って鎌倉に戻って、横須賀線で東京まで帰ったのだった。
(撮影した写真は27枚撮りカラーフィルム5本分。少々撮りすぎた。)


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